2012年7月26日木曜日

夏の南信州(7/2)4:大鹿村「赤石荘」


時間も3時を回ったのでその日の宿「赤石荘」に向かうことにした。赤石荘は、昨年話題になった原田芳雄主演の映画「大鹿村騒動記」の舞台となった大鹿村にある。

奈良井宿を後にして、来た道を少しもどり国道361号に出ると伊那を目指して権兵衛トンネルに入る。
トンネルを抜けて少し下ると、眼前に伊那の平野が開けた。その平野に向かって道は緩やかに真っ直ぐ何キロも下って行く。絶景である。

坂を下ると伊那市街だが、そのまま走り抜けて桜の名所として有名な高遠方面に向かった。
高遠城址公園からは国道152号を南下する。美和ダムのダム湖を過ぎてやや走ると道は曲がりくねった狭い山道になる。
国道と言われてもにわかに信じがたいような道が続く。
初めて走ったときには、無事目的地に着けるのだろうかと不安になったが、今回は3度目でもあり、ナビと案内板を頼りにしながらも不安にかられるようなことはなくその日の宿「赤石荘」に着くことが出来た。
時間はちょうど4時30分であった。途中の道の駅で休憩をとったりもしたが、それでもナビの到着予定時刻よりも1時間近く早く着いた。

赤石荘の玄関を入ると脇に大きな籠があり、中からなにか鳴き声のようなものが聞こえてきた。そっと中をのぞくとなんと子鹿が1頭入っていた。

フロントで夕食や朝食の時間を確認して部屋にはいると、さっそく温泉に浸かることにした。外がまだ明るい時間に入る方がいいのである。


南アルプスに連なる山の中腹にある宿なので風呂からの眺めはご覧の通りの絶景である。
のんびりと温泉に浸かると、夕食まで待ちきれずに、湯上がりのビールを飲んで一日車を走らせた疲れを癒し、久しぶりの暑さで渇ききっていたのどを潤した。

風呂と並んでこの宿の魅力なのが食事である。旬の地のものを主体にしたおいしい料理が食べきれないほどに出てくる。山の中なのでめずらしい鹿肉や猪肉なども食べられてついつい飲み過ぎてしまう。

食事の後はホタル狩りに出掛けた。
近くに(と言っても山道を20分ほど走るが)ホタルが見られるところがあるということで、希望する宿泊客をワゴン車で案内してくれた。
ホタルが乱舞する様子を見たのは何十年ぶりだろうか・・・。
子供の頃に捕まえてきたホタルを部屋の中に放って寝たほどのホタル好きの私にはとてもラッキーだった。

帰り道は村内の公園などに寄り道をしてくれて、たくさんの野生の鹿がいる様子も見せてもらえた。
人口千2~3百人の村に5千頭以上の鹿が生息しているとの話しだった。
樹木や農作物への被害はたいへんなものらしい。
大鹿村ならぬ「多鹿村」である。

宿にもどると時間は九時を回っていたが、もう一度温泉に浸かって飲み直した。
明朝もまた南アルプスの日の出を見られるポイントまで車を出してくれるということなので、それにも参加させていただくことにして、あまり飲み過ぎないようにして早めに床についた。


朝は4時半に起きて日の出を見に出掛けた。外はもう明るくなっている。
寒いかと思ったが、車で行くのだからいいだろうと半袖のポロシャツで出掛けた。
昨夜ホタルを見に行った所を通って、どんどん山道を登っていく。着いたところは夕立神パノラマ公園というところだった。
標高1600mを越えるところで、南アルプスの山々・中央アルプスはもちろん、はるか北アルプスまでも臨める場所だ。展望台からは周囲が360度見渡せる。気温は15度にも満たなかっただろうか、風が冷たく寒かった。何か羽織るものを持ってこなかったことを後悔した。
宿の方が熱いコーヒーを用意してくれていたのがとてもありがたかった。
やや雲が多かったが、すばらしい日の出を見ることが出来た。




ここで一緒になった方から、珍しい青いケシの花が見られるところがあると聞いたので、帰りはそこに寄っていくことにした。

宿にもどって朝食を済ませひと休みしてから宿を出発した。
フロントで青いケシの花が見られるところがわかるイラストマップをいただいて目的地を目指したが、細い山道に入ると所々に見られる案内板だけが頼りだった。
30分程走ってなんとかたどり着いたところは「中村農園」というところだった。
そこには広い畑にたくさんの青いケシの花が栽培されていた。
ケシに限らず、青い花というのは大変珍しいものとされているが、あまりにたくさんの青いケシの花にびっくりしてしまった。


ちなみに、この花を他の場所で栽培しようとしてもうまくいかないと言うことだった。

花を眺めていると、暗くなってきていた空からぽつりぽつりと雨が落ちてきたので、本降りにならないうちに切り上げて帰路についた。

帰りは国道152号線南下し、途中から南アルプスエコーラインに入ってしらびそ峠・下栗の里に寄る予定だったが、雨が激しくなったので今回はあきらめてそのまま152号を下ってヒョー越峠を抜け、水窪に出た。

※ 「下栗の里」
某引っ越し(運送)会社のTVコマーシャルで「転勤する先生を小学生が見送る場面」の舞台になったところである。CMでもわかるようにとても景色のよい所だ。









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