2011年9月14日水曜日

北陸の旅:(4)過疎地

夕食は6時半にお願いしてある。
時間になったので食堂に行くとテーブルに夕食が用意されていた。
私の他に二つのグループがテーブルを囲んでいた。
一つのテーブルは3人のグループで、仕事が終わって一杯飲みに来たといった感じでにぎやかに酒を酌み交わしていた。
もう一つのテーブルは若者4人のグループだが、こちらは大人しく黙々と食事をしていた。

そういえば昨年ここを訪れたときにも宿泊客は私ひとりで、やはり仕事を終えてひとりで飲みに来ていた近所の親父さんと会話が弾んで、食後も1時間以上ここで一緒に飲んでいたのだった。

近くに遊びに行く所も飲み屋もないし、この辺りの人たちが仕事を終えてちょっと一杯という時の唯一の場所なのだろう。

ビールを2本ほど飲んでいる間に、4人の若者たちは食事を終えて早々に食堂をあとにし、もう一組の、3人で飲んでいた人たちもそれからまもなく帰宅した。

詰めれば4~50人は入りそうな広さの食堂であるが、客はこれだけであった。もしかしたら、これでも多い方なのかもしれない。なにしろ昨年はたった二人だけだったのだから・・・。


夕食を終えてのんびりとしながら明日はどこに行こうかとあれこれ考えた。今回は長い間ご無沙汰になっている兼六園と永平寺には行くつもりで来たが、他には特に拘っている所はない。片山津温泉のホテルに5時くらい(一応夕方のラッシュ時間は避けたい)に着けばよいので、あとはいつものごとくで、時間を見ながらの行き当たりばったりといったところだ。永平寺は明後日になるので、とりあえず兼六園に寄る時間さえ確保しておけばよい。


一休みしたところで、折角の温泉なのでもう一度ゆっくり湯に浸かることにした。

風呂に行くと珍しく(初めて)先客がいた。
聞くと、大学生だということだった。
ひとりは金沢大学、もうひとりは名古屋大学だという。インターンシップで8月下旬にここに来てずっと滞在しているという。

大学で行き先の希望をとったときに、くじ引きで負けて、誰も希望者がいないで残っていた所のここに来たのだそうだ。
ところが、来てみるととても良い所だという。地域の人たちがとても親切でよくしてくれるし、食べ物もとてもおいしい。
くじ引きで負けて来たところだけれども、実際は大当たりだったという。

実は、翌日が最後の日で、このような過疎の山村地域の振興についての考えをまとめたレポートを発表するのだそうだ。

慣れないネクタイなども締めて地区の偉い人たちの前で発表するので今からちょっと緊張しているのだと話してくれた。

頑張って是非こういう地域の良さを生かせるような振興策を提案してほしいものである。
この学生たちの明日の発表をちょっと聴いてみたい気持ちになった。


こういう若者たちがもっともっと増えて、全国各地に広がってきている過疎地が少しでも活性化されていってほしいと思った。

0 件のコメント:

コメントを投稿