2011年9月1日木曜日

思い出への旅:花火

子供の頃によく遊んだ花火は「リュウセイハナビ」というものだった。漢字ではどう書くのかは知らなかった。今でもわからないが、竜勢だったのかな?などと勝手に想像する。

30センチほどの長さの竹籤の先に火薬を詰めた4~5センチの紙の筒が付いている。そこに火を点けると火を噴きながら空中に10数メートル飛び上がって破裂するものだ。

ただそれだけだが、ヒューっと音をたてて飛んでいくのと、それがバンッと破裂するのが爽快だった。


ある時、それがもっとずっと高く飛び上がって大きな音を立てて破裂するようにしたいと思った。

今よりも高く飛んで大きな音を出すには、まず火薬の量を増やせばいい。単純にそう考えた。
早速花火を買ってくると、そのうちの5本ほどの筒の部分をほぐして火薬を取り出した。1本に入っている火薬の量はちょっとだけで、5本集めてもほんのわずかしかなかった。

こんなに少ない量では一瞬で燃え尽きてしまって高くは飛ばないのではないかと心配で、1度試してみることにした。
火薬を詰めるものとして、元の花火の筒と同じくらいの大きさの物を探して、鉛筆のキャップに目をつけた。
集めた火薬をキャップに入れると半分にもならなかったが、とりあえずそれだけでどれくらい燃えるかやってみることにした。

早速マッチを持ってきて、右手でマッチを擦って火を点けると、キャップを左手に持ってそれにマッチの火を近づけた。

シューっと燃えると思っていたが、とんでもない間違いで、バアーンという大音響をたてて一瞬で爆発した。火薬が飛び散って手や顔などあちこち小さな火傷はしたが、左手の指も全部ついていたのでほっとした。

大きな音にびっくりした母親が走ってきたが、ちょと花火が爆ぜただけだととぼけてやり過ごした。
これに懲りて、それからはもう二度と火薬のいたずらすることはなかった。



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